能登海洋水産センターは、6822㎡の敷地面積を有し、4350㎡(床面積1044㎡)の3階建の教育研究棟と旧ホテルを改修した5193㎡(最大宿泊人数30名、床面積1241㎡)の3階建の研究宿泊棟があります。
教育研究棟1Fには屋内飼育室が3室あります。また、研究宿泊棟1Fには30tのFRPシート水槽が設置された屋内飼育室が1室あります。
くわえて、屋外には、20tのFRPシート水槽、1~10tのFRP水槽を設置した屋外飼育場があり、トラフグ、ヒラメ、サヨリ、ニジマスやサクラマスなどを飼育しています。
飼育海水は、九十九湾沖合60m水深約7mから取水、毎時260t程度の砂濾過・紫外線殺菌海水の供給を可能としています。あわせて、所内に井戸を2ヶ所設置、地下30mから毎時3t程度の地下淡水(平均16°C)を汲み上げ、飼育水として使用しています。
教育研究棟の実験室には、実体顕微鏡と生物顕微鏡、インキュベーター、クリーンベンチ、組織学・生化学・分子生物学用解析機器などがあります。くわえて、防犯カメラやカードキー入室など最新セキュリティシステムが教育研究棟および研究宿泊棟に完備されています。
国立大学法人金沢大学と能登町との人づくり・海づくり協定
国立大学法人金沢大学(以下「大学」という。)と能登町(以下「町」という。)とは、地域づくり連携協定書 (平成 19 年 7 月 13 日 締結)の下、相互の発展に資す るため、連携を図りながら協力することに合意し、次のとおり、教育研究の推進のための協定を締結する。
(目的)第 1 条
本協定は、大学と町が相互の緊密な連携と協力により、地域特性や環境を活 用した教育研究拠点を整備し、世界を視野に入れた成果の発信に努めることにより、活力ある個性豊かな地域社会の形成とその持続的発展に寄与することを目的とする。
(連携内容)第 2 条
大学と町は、前条の目的を達成するため、次の事項について連携し協力する。
(1) 高等教育の振興に関する事項 (2) 初等中等教育における海洋教育 の振興に関する事項 (3) 水産資源などの地域資源の活用に関する事項 (4) 地域コミュ ニ ティ 、まちづくりに関する人材養成に関する事項 (5) 地域文化の振興に関する事項 (6) 生涯学 習の推進に関する事項 (7) その他地域づくりのために必要と認める事項
(連携の推進)第 3 条
1.大学と町は、この協定による連携を円滑かつ効果的に進めるため、連携を推進するための会議を握くことができる。2.会議の 設置及び運営に関して必要な事項は、大学と町が協議の上、別に定める。
(有効期間)第 4 条
本協定書の有効期間は、協定締結の日 から平成 3 1 年 3 月 3 1 日までとする。ただし、期間の満了までに、大学又は町からの異議申し立てがない限り、この協定書の有効期間は 3年間延長されるものとし、それ以降も同様とする。
(守秘義務)第 5 条
大学と町は、本協定に基づく活動において知り得た情報については、それぞれの秘密を保持する。ただし、事前に相手方の承諾を得た場合は、この限りでない。
(その他) 第 6 条
本協定書に定めのない事項及び本協定書に関し疑義が生じた場合は、大学と町が協議の上、決定するものとする。 本協定の締結を証するため、本協定書 2 通を作成し、大学と町はそれぞれ 1 通を保有する。
平成 2 8 年 7 月 2 1 日 金沢大学理工学域能登海洋水産センター規程 (平成 31 年 4 月 1 日規程第 3144 号)
(趣旨) 第 1 条
この規程は,金沢大学理工学域規程第2条の2の規定に基づき,金沢大学理工学域能登海洋水産センター(以下「センター」という。)に関し,必要な事項を定める。
(目的) 第 2 条
センターは,海洋生物資源の基礎及び応用研究を行う学生及び研究者の拠点として,海に隣接した滞在型の教育研究環境を提供するとともに, 水産資源確保技術の高度化のための研究を推進し,新技術・新産業を創出できる人材の育成に資することを目的とする。
(センター長) 第 3 条
1.センターにセンター長を置き,理工学域を担当する専任の教授(常勤の特任教授を含む。)のうちから,理工学域長が指名する者をもって充てる。 2.センター長は,理工学域長の指示を受け,センターの管理及び運営業務を総括する。 3.センター長の任期は2年とする。ただし,再任を妨げない 4.センター長に欠員が生じた場合の補欠のセンター長の任期は,前任者の残任期間とする。
(その他) 第 4 条
センターの使用に関し必要な事項は,別に定める。
附 則 この規程は,平成 31 年 4 月 1 日から施行する。
テーマ「金沢大学への期待 先を見据えた大学改革」
山崎光悦学長 × 馳 浩 衆議院議員(平成27年9月13日)抜粋
山崎学長 教育面では,本学が学域学類制に移行して7年経ちましたので,世の中のニーズに応じて学域学類制の見直しを始めました。平成30年度を目途にいくつかの新しい学類・コースを立ち上げようと考えています。具体的には,新しい分野である観光学に関する人材育成を始めたいと考えています。また,本学に水産学部・農学部はありませんが,生物・水産資源の開発の手助けができる人材の育成についても考えています。海での養殖には限界が見えているので,陸上で魚を育てるということを考えています。統計的に調べると中国では10年余りで淡水魚の人工飼育が20~30倍に増えています。人口13億人のタンパク源として肉だけでなく魚や野菜も必要ということです。日本も,食糧生産・安全保障という観点から育てる漁業に切り替
えていく必要があると思います。本学には鳳珠郡能登町小木に臨海実験所があります。そこを本拠地として整備し,魚にワクチン接種するとか,そのワクチンの開発等,いろいろな研究が出来るものと思っています。これらの考えは「総合大学は金太郎アメだ」とよく言われるので「金沢らしいものはなんだろ?」と考えたことが発端です。
教育面では他に,共通教育改革にも取り組んでいるところです。
また,平成28年4月から教職大学院をスタートさせます。石川県教育委員会の力をお借りして,現職教諭を含めた学生に対し,実践的な教育の充実を図ってまいります。